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ゆっくりと目覚めた。流石に腹が重く朝食バイキングはパスすることにして
コーヒーを飲んだりしながらまったりと時を過ごした。

ここから眺める冬の札幌市内の景色はいつ見ても迫力があるし美しい。

本日の予定は、苫小牧まで出て、太平洋フェリーに乗船し、仙台へ向かう
のみ。

なにか北の大地でやり残していることはなかろうか?

う〜ん、暫し瞑想した。

そうそう、本場札幌のスープカリーが食べたい。

な〜んだ、やっぱり喰い物ことしか思い浮かばなかったではないか。

筆者の旅は、若い頃から色気より喰気ばっかしで、なんも変わり映えもせん
のう。

10時近くなったので、ホテルをチェックアウトする。まあ、とりあえず地下鉄で
札幌駅に戻り、ブランチする店をリサーチしよう。

駅構内をふらつき、なんとなく西口周辺を歩いていると
”スープカリー firifiri2号”というお店を発見する。

ここにしよう。そろそろ空腹になっていた。時間も昼近くなっている。

店に入ると結構混み合っていたが、カウンター席にすんなり通された。

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オーダーしたのは、ランチチキンだ。辛さは1番から5番のうちの4番にする。

4番は、ヒリッヒリの辛さとメニューに書いてあったけど、まさしくその通りで
咳き込むぐらい辛かった。ゲホゲホでした。

それでもパンチ満点で、コクがあり絶妙の美味しさに満足する。

この店は女性ひとりでも気軽に入店できる雰囲気なので、両脇はレデイで
した。

驚いたことにレディたちは、追加料金の6番をオーダーし、平然と食べて
おられた。

札幌ガールズは辛党なんだね。素晴らしい。

うちの女房とかcoco壱に連れていくと、わざわざ甘口をオーダーしてるん
ですよ。筆者は辛くないカレーはカレーじゃないと思うタイプなんだけど、
それでもこの店の4番が限界かな。

結論、札幌の専門店で食べるスープカリーは、やっぱり美味しかった。

その後、札幌駅の構内の本屋などをふらふらして、苫小牧行の汽車に
乗り込んだ。

車窓から見る苫小牧までの原野の光景がとても気にいっている。

でも缶ビールを飲んだら、またも爆睡してしまい気がついたら苫小牧駅だ
った。

夕刻、フェリー埠頭行のバスに乗り込んだ。これでこの冬の北の大地とも
お別れだな。

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案内所で手続きを済ませ、船に乗り込んだ。

チケットは苦手な2等雑魚寝だったので、エントランスでキャンセル待ちを
かけB寝台に変更してもらう。

船内は、エライ混んでいたが、さっさと風呂を済ませ、ソファーで買い置き
してあった惣菜をツマミに赤ワインを飲んだ。

出航の銅鑼が高々と鳴り響く。

エンジンが異様なうなり声をあげてフェリーが動き出した。

苫小牧の街の灯が、少しずつ遠ざかっていく。

また、ひとつ旅が終わった。

さっ、びしいねえ〜(黒板五郎風)

でも旅には終わりがあるから輝くのだ。終わりがあるから次の旅路が始まる。

やはり筆者は北の大地の旅が一番好きだ。

それにしても余市の赤ワインは美味しい。

ニセコの宿に泊まって以来、すっかり赤ワインにハマっているゴロウさんだ。

もしかしたら筆者の赤い血は、赤ワインでできているような気がした。

だったらさあ、青いワイン飲んだらどうなるの?


アー、オイチ!


                    FIN