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「今日はどうする?」

「スキーにします」

アラキさんはためらわずに答えた。

「ゴロウさんは?」

『ぼくも今回滑れるチャンスは今日が最後なのでスキーにします』

というわけで、なんだか天気が荒れ模様だが、ニセコヒラフで滑ることにした。

ニセコヒラフか。学生時代以来、四半世紀ぶりだ。ただ寒かったという記憶しか
ございませんが。

タナカさん、アラキさん、ゴロウさんは、村長さんにヒラフスキー場の入口まで送っ
ていただく。

しかし、シバレルねえー、異様な寒さだった。風も強いから体感温度は氷点下
30℃ぐらいじゃなかろうか?

リフトの隣には小学生ぐらいの子供が2人ほど座り、ぼくに笑顔で話しかけてきた。

「日本人ですか?」

確かにゴーグルやネックガードで顔はあまり見えないが、ぼくは典型的な日本人顔
だと思うのだが?

『そうだよ』

と、答えると、

「ぼくは日本人じゃないけど、日本語しか話せないないんです」

『?????』

つまり、ハーフでニセコ在住なのか?

イマイチ、意味が理解できなかったのだが、それなりに会話が弾んだ。

それでも延々とリフトで登っていき、レストハウス”エースヒル”まで辿りつく。

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こりゃだめだ。強風とガスで完全にホワイトアウトしていた。

慌ててレストハウスに飛び込むとスキー教室のチルドレンも大量に避難していた。

いつまで経っても天候が回復しないので、強引に滑る・・・滑る・・・

そして転がった。オージー(オーストラリア人)が乗るボードにも激突され、吹っ飛ん
だりと波瀾の展開が続いた。

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流石に腹がすいたので、ホテルニセコアルペンのレストランで昼食をとることに
した。

ここのステーキランチはボリュームがあり、良心的な値段だった。確か1300円で
200グラムのお肉が出てきた。ご飯の盛りもかなりよかった。

「ゴロウさん」

『こりゃどうも』

アンビに泊まっていたファミリーの皆さんとも偶然ながら再会したりもする。

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嬉しいことに、ここのホテルにはミルク工房の直営店があり、ソフトクリームを存分に
堪能する。

いや本当にミルク工房のソフトって、味が濃くて絶品なんですよ。マイウ!

もう午後からは滑りたくない。ソファーでゴロゴロしていたいと本気で思ったりしたの
だが、リフト1日券がもったいないので強引に14時まで滑りまくる。しばれるねえ。

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村長さんに無事回収してもらい、14時半前にはアンビに戻った。

一応、スキーをしてきたんだぞという証拠画像をアラキさんに撮影してもらう。

これから帰宅されるタナカさんを見送る。そして今宵はハコさんという方がいらっ
しゃった。やはり熟練のスキーヤーっぽいオーラが出ている。

今夜の温泉は、ニセコ昆布温泉鯉川温泉旅館という秘湯に浸かる。

創業明治30年、100年以上の歴史をもつというから凄い。

確かに古い温泉旅館だけど、味わい深い内湯が素晴らしい。個人的に大好きな
ひなびた雰囲気が濃厚に漂っていた。もちろん露天風呂もあるぜよ。

泉質は炭酸水素塩水で、とても効能が高いそうだ。

「感動した」、ニセコには、こういう情緒あふれる秘湯が残っているんだ。

夏にも来たいと激しく思うなり。

ワインの宴会は、昔の北海道の旅の赤裸々な話題で盛り上がった。

ずいぶんと無茶したけど、若かったからできたこともあるかもしれない。

でも年配になって、こういう旅ができるのもあの頃に土台を築いていたおかげかなと
ふと思ったりもした。

ハコさんは口数は少ないが、ぼくらのエロイ話を聞きながら穏やか
に微笑んでいる温厚な人物であった。

明日には、ぼくも宿をでる予定だ。寂しい気もするが、そろそろ単独行動で、
しておきたいことがある(食べ物のことなんですけど)

というわけで、布団に入ればあっという間に意識が消えた。