鰻重





「あなた、わたしがいない隙にこっそりと美味しいものを食べにいっているで
 しょ」

いきなり妻から指摘される。

『なぜわかった?』

「単純なあなたのやっていることぐらい、なんでもお見通しよ」

まるで、お釈迦様の掌の中の孫悟空だった。

「今日こそは、わたしも連れて行きなさい」

『わっ、わかったよ。で、なにが食べたいんだ?』

「鰻重・・・」

鰻重ですと。なんと贅沢な。自分はここ数年、まったく食べてない。

でも、断りきれなくなり二本松市内の有名な”半沢”といううなぎ専門店へ
雨のなか向かった。

かなり以前に利用したことはある。確か愛知県一色地方の鰻を使用しているとか。

鰻は蒸さずに焼く”生焼き(きやき)”という製法で素材の味を引き出して
いる。遠方から来店する常連客の数も多い。

香ばしい鰻は本当に美味しかった。きも焼きも旨い。妻も大満足の様子である。

ただ、これだけ高級なご馳走をふたりぶん支払った出費も痛い。

次に国産鰻を食べるのは3年後ぐらいになると思う。

というより、こんなに栄養のあるものを食べたら本当に痛風になりそう。

夕方にはうまく雨があがったので、念のため、また走り(朝も走った)に出た。

痛風になるのが、怖いもので。


話は変わって、本日の大河ドラマ”天地人”・・・

真田幸村が、ついに登場した。

戦国最強の智将だと思う。講談等で大袈裟に描かれ過ぎという批判もあるし、
実名は幸村ではなく信繁だったとか、細かいことをぐちゃぐちゃ言う人も多い。

ただ私は、本当に義に生き、後世に名を残した真のサムライと確信している。

実績からして尋常な人物ではなかった。

小説家の司馬遼太郎も絶賛している。最後の最後まで決して諦めないというか
勝利の望みは捨ててない。

無敵といわれた徳川軍を三度まで完膚なく叩きのめしたのは真田だけだろう。

夏の陣で家康の馬印を倒したのも武田信玄以来、幸村だけだ。

薩摩藩主島津忠恒いわく・・・

”真田日本一の兵。古よりの物語にもこれなき由”

かつて大阪を死に物狂いで守ってくれた幸村にちなんで、大阪市立真田山小学校
の校章は今も六文銭(真田家の家紋。三途の川の渡り賃)である。