パニック障害についていろいろ調べてみた。

トンネルとか橋の上を走行しているときにおきるらしい。

激しい発作とか動悸、めまいにみまわれるそうだ。

不安が不安を呼び、症状が重くなっていくという。

専門医に相談し、投薬やカウンセリングを受けるのが有効とかなんとか・・・

しかし、この夏以来の俺の症状そのもののような気がする。

やっぱり、心の病いだったんかい?

まあ、世の中、最低だからな。

同じような症状で苦しんでいる人が多いそうだ。

なんて、年末に不景気な話題ばかり書くのも気がひける。


話は変わって・・・

20年近く前の年末、成田空港の北ウィングからアフリカに向けて旅立った
ことがある。

当時は独身で、2つ下のOLとつき合っていた(悪いか!)

ある晩、仕事帰りに彼女の家に寄ったら、
「キタノさん、ごめんなさいね。娘はまだ仕事から帰ってないの」
母親が出てきた。

仕方なく、帰路に着くと彼女は口髭を生やした男の助手席に座り送られて
きた。絶対に俺のクルマを確認していたはずだ。

俺は見たぞ!おまえが驚いて口を塞いでいた瞬間を。

数日後、彼女に呼び出され喫茶店で会った。

「ごめんね。私はまだ一人でいたいの。もう、会えないの」

惨めだった。木っ端微塵にふられた。

つまり、二股川運転免許試験場状態だったのだ。

『そうか、元気でな。俺はエジプトの友人に用があるんだ。なにせ3千年も
 待たせているしよ』

「え、誰?その人?」

『知りたいか?スフィンクスくんよ』

彼女は、この人、とうとう、どっかおかしくなったというような顔をして
いた。


カイロで、スフィンクスが、

「よう、ずいぶんやせ我慢したな。おまえらしいよ。ただ、ピラミッドの内部
 でパニック障害起こすなよ」
と、苦笑いしていた。

「でもな、ぶざまでもいいじゃないか。ひとつひとつ、また積みなおしていけ
 ば、またなにかが始まるよ。俺は3千年もここを動けねえが、おまえは
 動いてみろよ」

スフィンクスの姿は、どこか威風堂々としていた。


ということで、このストーリーは全部架空です。