昔々、英語でいうと

a long long ago

俺が子供の頃、家に出入りして山仕事を手伝っているおじいさんがいた。

おじいさん曰く

「このあたりにはな、ササクマっていうちっちゃなクマがいだんだぞい」

『本当ケ?』

キタノ少年は眼を輝かせたとな。

「ああ、喰うとうめえクマなんだが、もう居ねえ。絶滅したんだべなあ」

ずいぶん前に鬼籍へ入っているじいさんが言った「ササクマ」って何者だ?

大人になって、もう、おっさんの域に達した俺は今も気になっていた。

いろいろ調べてみると「ニホンアナグマ」というらしい。

女房の実家あたりだと「マミ」と呼ばれている。

意外に人懐こいようで、ヨーロッパではペットとして飼う人も多いとか。

正確にはクマ科ではなく、タヌキの仲間らしい。

近年、雑木林の伐採や乱開発により急速にその数を減らしているとか。

マミって言い方、可愛いかも知れないな。